お役立ち情報

保育士が妊娠したときの対応とは?安心して働くために知っておきたいこと

トップお知らせ保育士が妊娠したときの対応とは?安心して働くために知っておきたいこと

保育士として日々忙しく働くなかで、「妊娠が分かった」「これからどうしたらいい?」と不安に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか?保育の現場は体力勝負の仕事でもあり、感染症のリスクや重い子どもを抱える動作など、妊娠中の体には負担がかかりやすい職場でもあります。
今回は、妊娠がわかった保育士の方が安心して働き続けるために、知っておくべき制度や職場との対応の流れ、注意点についてご紹介します。

01 妊娠がわかったらまずすること

「できるだけ早めに上司へ報告を」

妊娠が分かったら、安定期までは職場に伝えるのを控えたいという気持ちもあるかもしれません。しかし、保育の仕事は体への負担が大きく、急な体調不良や通院が必要になる場面もあります。そのため、なるべく早めに上司(園長など)に報告することをおすすめします。

報告の際には、以下のような点を伝えるとスムーズです。

・妊娠したこと(妊娠週数)

・現在の体調や、今後の勤務への不安

・医師からの指示(あれば)

保育園によっては、妊娠中の勤務マニュアルや体制が整っている場合もあるため、早めの共有が安心材料となります。

02 職場が配慮してくれること(マタニティハラスメント防止)

妊娠中の労働者は法律で守られています。保育士ももちろん例外ではありません。

「妊娠中の働き方に関する主な制度」

・母性健康管理措置…妊婦健診や指導のための通院、休憩、勤務時間の短縮、軽易な業務への変更などが可能

・産前産後休業(産休)…出産予定日の6週間前から(多胎妊娠は14週間前)、産後8週間は原則就業不可

・育児休業(育休)…原則、子どもが1歳になるまで取得可能(条件により最大2歳まで延長可)

・時短勤務制度…育児中の時短勤務(6時間など)を申請できる制度

職場には、妊婦の申し出に応じて業務内容や勤務時間の調整を行う義務があります。これに応じない、もしくは妊娠を理由に不当な扱いをすることは、マタニティハラスメントに該当し、労働法上の問題となります。

03 保育士特有の注意点

保育士の仕事には、一般のデスクワークにはない妊婦特有のリスクがあります。代表的なものを以下にまとめます。

・感染症リスク…

風疹、麻疹、コロナウイルス、りんご病など、妊婦が感染すると胎児にも影響を及ぼす感染症が、保育現場では身近です。妊娠が分かったら、抗体検査を受けることが大切です。

・体力的な負担…抱っこやおんぶ、長時間の立ち仕事

・園庭や散歩などの外活動…運動会や行事前後の準備・片付け

これらは妊娠中には大きな負担になります。園と相談のうえ、補助業務や事務作業への配置換えなどの対応をお願いしてみましょう。

04 業務引継ぎと休暇前の準備

産休・育休に入る前には、職場の同僚や後任者に向けた業務の引継ぎが必要です。

「引継ぎのポイント」

・担任クラスの子どもの様子(性格・特性・家庭環境など)

・保護者とのやりとりの状況

・行事の準備状況や年間計画

・医療的な配慮が必要な子の情報

また、引継ぎは一度で終わらせるのではなく、少しずつ進めておくことが大切です。妊娠後期は体調が不安定になりやすく、急に休まざるを得ないこともあるため、余裕を持って計画的に進めましょう。

05 産休・育休後の復職について

復職については、事前に「いつ頃戻る予定か」「どのくらいの勤務日数・時間を希望するか」などを職場と話し合っておくことが大切です。

育休時は勤務と見なられ有給休暇も付与されます。復帰後は、時短勤務など子育てしながら勤務しやすいサポートを設けている園もあります。妊娠・出産・育児を経ても働き続けられる環境づくりが進んでいる園も増えていますので、不安なことは事前にしっかり相談しましょう。

06 まとめ

保育士が妊娠した場合、職場とのコミュニケーションや制度の活用によって、無理なく安心して働き続けることが可能です。

蓮美幼児学園(社会福祉法人光聖会)では、男女ともに育児休暇の取得率が100%。子育て支援に積極的に取り組んでいる企業を厚生労働省が認定する「くるみん認定」も受けております。育児短時間勤務は子どもが小学校就学まで可能で、さらに、お子さまが3歳になるまでは短時間勤務でも諸手当が満額支給されるなど、経済的なサポートも充実しています。そのほかにも、子の看護休暇など、家庭と仕事を両立するための休暇制度も整備されており、長く安心して働ける職場環境が整っています。

「申し訳ない」と思いすぎず、お互いに助け合いながら、自分と赤ちゃんの健康を第一に考えて行動しましょう。

保育士という仕事は、子どもたちに寄り添いながら命を大切にする素晴らしい職業です。だからこそ、自分自身の命と新しい命を守ることも、どうか大切にしてくださいね。